加工貿易とは原材料や半製品を外国から輸入し、これを自国で加工することでできあがった製品や半製品を他国に輸出する貿易形態のことをいいます。単純に原材料を輸入し加工後輸出するパターンと、国内で何社かを経て加工し最終製品を輸出する複数の企業が関与するパターンがあります。いずれの場合も最終製品(もしくは半製品)を外国へ輸出しますので、原材料を輸入した時点では関税・消費税の納付を猶予され保税貨物として扱われます。輸入した原材料を国内で販売する用途で使用した場合は、用途外使用となりその時点で関税・消費税を納付しなければなりません。かつては日本でも工業製品が保税制度を利用した加工貿易を行なっていましたが、生産拠点を海外に移したため現在ではほとんど行われていません。海外では、中国の進料加工、来料加工制度、タイのBOI制度が加工貿易の制度として代表的です。