保税とは輸出入貨物で関税の納付が留保されたままの状態のことをいいます。保税状態のままで貨物の保管、加工、製造、展示等ができる場所を保税地域と呼びます。この保税地域の中で保管ができる場所は保税蔵置場といいます。保税地域では税関長の許可(又は財務大臣の指定)が必要であり税関の管理のもとで定められた手続・報告をおこなわなければなりません。保税地域の中には保税蔵置場のほかに指定保税地域、保税工場、保税展示場、総合保税地域があります。日本では関税の課税率があまり高くないため保税地域の活用は限られていますが、関税率の高い国や部品を輸入して保税のまま工場で加工して完成品の輸出を行っている中国や東南アジア諸国では保税制度を活用して、輸入部品の関税を留保したまま完成品の再輸出を行っています。